2014年

11月

22日

みなさま、本当にありがとう

表紙でお伝えしたとおり、私たちのサイトはしばらくお休みをいただくことになりました。少し寂しいですが、編集部のみんなで出した結論です。これまで、みんな本当によくやってくれました。


言い出しっぺの私のわがままを、本当によくきいてくれたと思います。更新ギリギリのスケジュールも、自分の仕事とは別に抱えてくれた作業量も、かなりの負担を強いてきたと思います。


これまで読んでくださったみなさまへ、感謝の気持ちで一杯です。と同時に、ときとして独走しがちな私についてきてくれた編集部のみんなにも、この場を借りてお礼をいいたいと思います。みんな、本当にありがとう。


さてさて、このサイトの活動を通して私が勉強したことはとってもたくさんあるのですが、最後にそのひとつ「ゼロをイチにすること」について書きたいと思います。


今までの私の人生は、誰かが立ち上げた何かに乗っかることばかりでした。学生時代の部活も、アルバイトも、就職も、ボランティアも。もちろんそこから学ぶことは山ほどあったし、それ自体悪いことだとはまったく思いません。


でも、今回このサイトを自分が言い出しっぺとなってやってみたことで、ゼロから何か

をはじめることの面白さを知りました。自分が頭のなかであーだこーだと考えていることを、みんなで一緒に形にしていく楽しさ。見知らぬ人からフィードバックをもらったときの高揚感。意見が食い違ったときに交わす激論や、金銭を媒介しない関係の清々しさ。これは本当にクセになる!

 

それと同時に、みんなの意見を集約して活動を継続していく難しさも実感しています。それまで理解しあっていたと思う相手の考えていることが、突然理解できなくなったり。または、なぜ理解してもらえないのかとフラストレーションを感じたり。

 

こんな大人になってこんなことをやっていられるのも、とてもありがたく貴重な経験でしたね。

 

人は誰でも、自己表現したくなる生き物だと思っています。自分の考えていることや感じていることを、みんなに知ってほしい。それは本能のようなもの。だから、少し時間が経てば、また声を出したくてむずむずしてくるはず。次はどんな人に会いにに行きたいかな、なんて性懲りもなく考えていたりして。でも、今はちょっと休憩。

 

みなさま、本当にありがとうございました。

 

NTM(おざわ)


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2014年

11月

15日

命とお金

最近気になっているニュースのひとつに、小型犬の山中遺棄事件があります。栃木で大量に犬の死体が発見されたことで、実は全国のいろいろなところで同じように動物が捨てられていたとわかってきています。


この夏、特集でご紹介したペットの殺処分。ペットを飼えなくなっても、自治体は以前のように簡単に引き取ってはくれなくなりました。現在年間16万頭も殺されている動物たちをゼロにしようと、環境省も本腰をいれています。動物のネット売買も規制の対象になっているようです。


もちろん、そうやって動いて行かなければなにも変わらない。でも、それまで自治体で引き取られてきた動物たちの流れを止めるだけでは、行き場を失ったものたちはひっそりと捨てられてしまうだけです。いづれ行き場を失うような動物たちをうみださないことが、まずは必要なのではないでしょうか。


山中に捨てられる犬たちの中には、出産授乳をした痕跡のあるメスたちもいるのだとか。悪質なブリーダーが散々子犬を産ませたあげく、年数の経った母犬を捨てる。こういう構図があるのだとしたら、本当に悲しいことです。


なにより、同じ子を産む性として(わたしに子どもはいないけれど)、母犬が使い捨てにされるのはいたたまれない。


以前、年老いたペットの介護施設を取材したことがあります。月に何十万も支払って自力で立ち上がることもできなくなったペットの面倒をみてもらうというところです。獣医が常勤していて、清潔なケージのなかで数時間ごとに流動食を与えられる。


その施設には肥満犬のためのプールも完備されていました。壁には犬用のライフジャケットがずらり。人間のスイミングスクールに負けない設備が整っていました。いま介護されている老犬も、若い頃はそのプールで一生懸命ダイエットに励んでいたのでしょうか。そして、ひとつの疑問が浮かびます。


なんのために?



彼らは一体なんのためにダイエットをしたりプールで泳いだりするんだろう。一体なんのために栄養満点のペットフードを食べるのだろう。一体なんのために、命の最後までドロドロの食べ物をチューブでその胃袋に流されつづけているんだろう。


一体なんのために、彼らは生まれてきたんだろう。

 

高いお金で売買されるためにこの世に産まれ続ける命。その存在を維持することで高いお金をやりとりする人間たち。

 

数年前、ペットの葬儀屋が動物の遺体を”葬ります”といって有料で引き取りながら、山中に投げ捨てていたという事件がありました。動物たちは命が終ったあとでさえ、人間の経済活動に利用されている。

 

山中に捨てられる命と、高級な介護施設で知らない人に流動食を与えられ維持されている命が、重なってみえます。

 

NTM(おざわ)




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2014年

11月

08日

小さくても継続できること

NTMでたびたびお世話になっているEDAYAの山下彩香さんと再会しました。彼女と最初に会ったのは、去年の秋。まだ立ち上げたばかりのこのサイトをみて、彼女のほうから連絡をくれたのでした。


山下さんの最初の印象はとにかく精力的だということ。日本とフィリピンを頻繁に往復し、しかもフィリピンで拠点をおいているのはマニラから何千キロも北の山岳地帯なのだそう。何時間も車に乗って、ようやく辿り着くところなのだとか。


どうしてそんなに大変な活動を、あえてひとりで?そう思ったのを覚えています。


でも、それは訊くまでもないことでした。だって、このサイトでご紹介してきた方々は、みんなひとつの目標に向かってまっすぐ進んでいる人たちだから。「なんでそんなことしているの?」って言われながら、それでもそうせざるを得ない何かを抱えている人たちばかりだから。


もちろん、私たちのこのサイトだってそうです。


他の多くのソーシャルビジネスと同じように、山下さんもひとつの壁にぶつかったそう。それは、社会的使命という目的を果たすために、どうやって利益をだしていくのかということです。莫大な利益でなくていい。小さい規模ながらもいかに継続していくのかという問題は、多くのコミュニティビジネスが頭を悩ますところです。


そして、もちろん私たちのこのサイトだって。


実は、このNewsToMove.comはいま大きな岐路に立っています。近くひとつの決断をしてみなさまにお知らせしなければいけないときがやってくると思います。

 

せめてそれまで、山下さんのような活動を少しでも多くの人に知ってもらいたい。そう思っています。

 

NTM(おざわ)



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2014年

11月

01日

感謝祭にて

先週の土曜日、特集でご紹介した大槌復興刺し子プロジェクトの感謝祭に参加してきました。なんとこの日は重大発表が。刺し子プロジェクトはこれから「大槌刺し子」として株式会社化するのだそうです!すごいですねえ。

 

復興や支援の段階からは卒業し、自分たちの働き方は自分たちで決めていくのだと現地の女性たちが立ち上がったのだそうです。

 

東京で支援してきたチームも、これからの応援は個人ベースになるのだとか。3年半で大きく飛び立っていくことになったプロジェクトに、涙が止まらないメンバーもいました。

 

刺し子プロジェクト東京チームの方々とは、このサイト以外でも長らく仲良くさせていただいています。個人的に応援している南三陸志津川高校の「南三陸モアイ化計画」。そのグッズ販売の現場で、いろいろな情報をもらったりおしゃべりをしたり。

 

そんなこともこれからはなくなるのかと思うと、やっぱり寂しい気がします。でも、物事はいつも移り変わっていくもの。変化がなければ進化もないのですよね。

 

津波に襲われた東北の広大な沿岸部。ほかの地域と同じように、3年前の大槌の惨状も目を覆いたくなるようなものでした。大きな舟や乗用車が建物の高い屋根の上に乗っかっている。そのままの状態が何ヵ月も続いていました。

 

感謝祭に参加した大槌の男性は、あのころのことをこう話していました。

 

「傷ついて真裸になった自分たちのところへ、支援だといってたくさんの人が土足で踏み込んでくるような気がした」と。

 


なんとかしなければ、と被災地へ向かったたくさんのボランティアたち。でも、とても多くのものを失って傷ついた人たちと心を通わせていくのは、想像以上に難しいことだったと思います。

 

彼らの思いは、いまこうして大槌の人たちへ引き継がれていこうとしています。それを可能にしたのは、震災後彼らがどう行動したかにすべてかかっていたのだと、今更ながらに思います。

 

あのとき、私たちは何をしたのか。未来からの問いについて考えます。その答えをひとつ、みることができた感謝祭でした。

 

NTM(おざわ)

 


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2014年

10月

25日

いつもの毎日

今回の河村レコメンド、映画『マルタのことづけ』も面白そうでしたねえ。仲間のことをあんまり褒めるのもどうかと思いますが、彼女のチョイスには本当にドキっとさせられます。映画やアートの中に私たちが生きていくための知恵を探してみよう、そういうコンセプトのコラムにいつも新しい視点を紹介してくれます。


今回のテーマは「ありふれた日常をどう生きるのか」、そう思って読みました。ずっと続いていくと思っていた毎日。それが終るのだと突然期限を切られてしまったら。


本当は必ず終わりがくる私たちの命。でも、いつもの毎日はずっと続いていくのだと、なぜだか思ってしまう。不思議です。


もしかしたら、本当はいつもの毎日がずっと続いてほしい、そう願っているのかもしれません。だからあえてつまらない毎日のように振る舞ってしまう。だって、毎日毎日「これが素晴らしき人生だ!」って思って生きていたら、ちょっと疲れてしまうかも。


久しぶりに会う友人に「最近どうなの?」なんて訊かれると、だいたいお決まりのセリフで答えることが多くなりました。


「最近?前と変わらないよー」


私だって人生のいろんなドラマを経験したいけれど(例えば、突然とんでもなく素敵な恋人ができるとか!外国で暮らすことになるとか!!赤ちゃんができちゃうとか・・・!!!)そんなことないしー。いつもとおんなじだよー。心のなかではそんな感じです。


でも、たいてい友人たちの答えはこうです。


「いいじゃない。変わらないのが一番いいよー」


そんなもんかしらねえ。


昨日、次回特集でご紹介する方々のインタビューにいってきました。刑務所などで受刑者のためのコンサートを続けている女性デュオ、Paix2(ペペ)のお二人です。

 

彼女たちはステージ上で「幸せとはなんだろう」ということについて、よく話すのだとか。

 

いつもの毎日のなかに、幸せはある。受刑者のことを考えたり、彼らの影にある被害者のことを考えたりするたびに、そう思うのだそうです。

 

私ももう少し、いつもの毎日について考えてみようと思います。来週の特集に向けて。お楽しみに!

 

NTM(おざわ)

 


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